今月15日を持って、無事に確定申告業務が終わりました。結局は、令和2年分の確定申告の期限も、昨年と同様、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、通常2月16日から3月15日の期間が、2月16日から4月15日までと、1か月間延長されました。

 ただ、申告期限が延長になったとはいえ、確定申告業務の慌ただしさは、例年通りでした。ただし、来年度の確定申告期限は、現段階では延長ということはなさそうなので、今回の確定申告業務の反省をいかし、来年の確定申告業務に向けて準備をしていきたい。

 

 さて、ここ最近の新型コロナウィルスの状況ですが、今、その新型コロナウィルスの変異型が、関西圏、東京都で猛威を奮っています。この変異型とよばれる新型コロナウィルスは従来の新型コロナウィルスより、感染力が強く、重症化しやすいのが特徴だそうです。4月24日まで関西圏、東京都、その他の県のいくつかの都市で、まん延防止措置の措置がとられていましたが、変異ウィルスによる感染者の増加に有効な手段は打てず、3度目の緊急事態宣言が、東京都及び関西圏に発令されました。(期間は4月25日から5月11日までの17日間)

 今回の緊急事態宣言の措置は、今年1月に発令した緊急事態宣言の措置とは違って、①飲食店への休業要請、②人手の抑制、③飲食店以外への休業要(1,000㎡超の集客施設、例えばデパート、映画館、劇場、遊園地など)④交通機関などへの協力(平日の終電繰り上げ、午後8時以降のネオンサインの消灯依頼など)⑤その他対策(会社の出勤者数7割減など)、かなり強い要請がされている内容となっています。

 

 また、この新型コロナウィルスの影響は、令和3年度税制改正の内容にも影響を及ぼしました。先月3月に国会において成立した、令和3年度税制改正の内容を簡潔に紹介しましょう。(一部抜粋)

 

<1>個人所得課税                            

① 住宅ローン控除の特例の延長等

(面積要件の緩和、ローン控除の特例の入居年の延長⇒R3年12月31日までの入居でOK)  

② セルフメディケーション税制の見直し(適用期限の延長)

 

<2>資産課税

① 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充

② 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し

 

<3> 法人課税 

① デジタルトランスインフォメーション(DX)税制

② カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

③ 研究開発税制の見直し

④ コロナ過を踏まえた賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直し   

 

<4> 納税環境整備

① 税務関係書類における押印義務の見直し

(税務署長等に提出する税務関係書類には押印義務廃止。ただし、実印及び印鑑証明書を求めている手続等は除く。地方税関係書類についても同様。)

② 電子帳簿等保存制度の見直し(税務署長による事前承認の廃止等)     

③ スマートフォン決済アプリサービスによる国税の納付

 

 また、新型コロナウィルスの影響で、売上等が下がった事業者に対し、以下の支援金・補助金の措置があります。

 

①一時支援金

 緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業又は外出自粛等の影響を受けている、かつ、2019年、2020年に比して2021年の1月、2月又は3月の売上が50%以上減少している事業者(業種問わず)が対象で、最大で60万円(個人事業者は30万円)の支給が受けられるもの

 

②事業再構築補助金

 コロナ禍で売上が下がった事業者が、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金制度です。

 

 5月に入りますと、今度は、3月決算申告で追われていきます。特に体調等に気を付けて、また乗り越えていきたいですね。