カエデの古老に会いに

私は植物の中でも、とりわけカエデが好きです。秋の紅葉はもちろんのこと、春先の新緑が陽光をはらみ風で揺れる姿を眺めると、どんなに心が乱れている時でも平穏を取り戻せる気がします。
日本ではカエデの仲間を一般的にモミジと呼びます。紅葉する樹の代表であり、その葉を「揉んで」染料としたのがその名の由来だそうです。ちなみにカエデは蛙の手、葉っぱの形が名前の由来ですが、漢字だと木偏に風と書きますね。昔の人も風になびくあの姿が良いと思ったのだろうなと、勝手に親近感を覚えてしまいます。
そんな私ですが、不見識なことに樹齢600年の古樹が秩父にある事を今さらながら知り、早速バイクを走らせて会いに行きました。
連休中にもかかわらず樹のある寺への道は空いていて、これはきっと歓迎されているに違いありません。はたして山門をくぐると境内のほとんどを占めるような見事なカエデが出迎えてくれ、私は一瞬で夢中になってしました。
自分以外には訪れる人もなく、品のある姿形と長い時を経た風格に畏敬の念を覚えつつ、一時間ほど静けさを楽しんだのち満足して帰途についたのでした。
奇麗で手入れの行き届いたお寺でしたので、きっと紅葉の時期には賑わうのでしょう。またその季節にも、ぜひ訪れてみたいものです。(Tsu.M)