11月も半分がすぎ、寒さもだんだんと厳しくなり、冬の時期が近づいている気がします。

 北海道では、例年よりも早く雪が滔々と降り、うっすらと道路が真っ白くなっている場所もあるそうです。東京も、心なしか去年より、寒さを感じるのが早いような気がします。

 さて、今、観光業の需要喚起を目的として、GoToトラベルキャンペーンが始まっています。(実施期間 2020年7月22日~2021年1月末まで)

このキャンペーンは、宿泊・日帰りの国内旅行を対象に、旅行代金の2分の1相当額(1人1泊当たり上限2万円まで)が国から旅行者に支援されるものです。この支援額のうち、7割(旅行代金の35%)相当は旅行代金に充当され、残り3割(旅行代金の15%)は、旅行先の土産物等の購入代金として使用できる地域共通クーポンとして給付されます。(このクーポンはコンビニ等でも利用可。)

 ここで、このGoToトラベルで、例えば、会社の出張をした場合等の消費税の課税関係について考えてみましょう。

結論として、旅行代金の全額が課税仕入れとなります。(割引前の金額)

つまりGoToトラベル対象の旅行代金22,000円(税込)で出張に行った場合、旅行会社に支払うのは14,300円。(22,000円の内、半額11,000円が国から給付。その11,000円の7割の7,700円が旅行代金から値引き。残り3割の3,300円は地域共通クーポンとして配布。)

 上記の例だと、22,000円全額が消費税の課税仕入れとなり、値引きされた7,700円は、通常は精算をすると思いますが、精算をしない場合には、この7,700円は雑収入(不課税)として計上することとなります。また、逆に、このGoToトラベルを利用して販売した旅行会社は、課税売上として22,000円が計上されることとなります。そして、値引きされた7,700円は後日、国から旅行会社に入金されることとなります。

 仕訳で示すと次の通りとなります。(税抜経理)

<課税仕入れ側>

旅費交通費 20,000/現金 14,300

仮払消費税 20,000/雑収入 7,700(不課税)

<課税売上げ側>

現金 14,300/売上 20,000

未収入金 7,700/仮受消費税 2,000

現金 7,700/未収入金 7,700(国から後日入金)

 皆様も、国内旅行等を行く際には、GoToトラベルを検討してみてはどうでしょうか。