先日、横浜中華街でお腹いっぱい飲茶を堪能したあと、主人と二人でちょっと足を延ばして相鉄ムービルへ。お目当てはあの伝説のスター、マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー映画です。


ところが劇場に着いてびっくり仰天。なんと「閉館のお知らせ」の貼り紙が。中華街の腹ごなしのつもりが、まさかの”昭和ノスタルジー体験”になろうとは。
チケットは今どき珍しい窓口での手売り、トイレは各階になく、座席には傾斜もないので前の人の頭がスクリーンにかぶる――。最新シネコンの快適さに慣れきった身には、あらゆる場面が「懐かしい試練」でした。しかしこれはこれで、まるで昭和にタイムスリップしたような、なんとも言えない味わいがあったのも事実です。


考えてみれば、全国の映画館がシネマコンプレックス化していく中、こうした昔ながらの映画館は生き残るだけでも至難の業。効率と快適さが正義の時代に、不便さごと愛される存在であり続けるのは、並大抵のことではないのでしょう。


そして何より感慨深かったのは、スクリーンの中の主役であるマイケル・ジャクソンは、もうこの世を去って久しいということ。それでも一本の映画が、あの伝説のスターをもう一度この目の前に「蘇らせて」くれる。しかもその奇跡が起きた場所が、まさに消えゆこうとしている昔ながらの映画館だったというのは、何とも言えない巡り合わせを感じずにはいられませんでした。


過去のスターを甦らせる映画と、その映画自体が過去になろうとしている映画館と。同じ「終わり」と「続くもの」が交差する、不思議な一日でした。